大豆・黒大豆の話
北海道は、豆王国といわれるほどの産地です。
年間約5.2万t(H17・北海道農政部発表)と全国1位の生産量を誇ります。煮豆、納豆、豆腐などにも使われる大豆の品種としては、大粒、中粒、小粒、黒大豆などがあり、さらに分類していくと30種以上にも分けられます。
多くの作物に甘味や風味を蓄える北海道の気候風土のおかげで、黒大豆も同様に育ち盛りの夏は朝夕の寒暖差で香ばしく育っています。
大豆を食物とした歴史は、三千年以上も前の中国大陸(周王朝時代)から始まっていたといい、日本では縄文時代からというように、人は大昔から豆にお世話になっているのですね。
大豆が好きになる話を一つ紹介すると―人間の記憶ネットワークは、脳の中の情報を伝える配線ともいわれる[シナプス]がたくさんあればあるほど豊富になるようで、このシナプスを活発にするのが神経伝達物質[アセチルコリン]。このアセチルコリンは、大豆に含まれているレシチンの中の構成物質であるコリンが、脳の中で変化して誕生する物質。ですから、大豆を食べる機会を増やせば、脳の中の情報伝達がよりスムーズになるということなのです。
豆の大産地・十勝の話
現在、道内の約3割を担う大豆の大産地といえば、十勝。その歴史にスポットをあてると、明治初期に静岡藩が農家数戸を入植させた記録や、明治16年に晩成社一行が団体入植して大豆栽培に取り組んだこと、明治30年代に他地域の畑作不振をおぎなうために十勝の耕地面積が大きくなり、大豆栽培も急速に伸びていった経緯などを知ることが出来ます。昭和12年になると、大豆耕地面積は道内の大半を占めるほどになったといいます。ちなみに、小豆耕地面積はさらに広大で、また、小麦類、馬鈴しょ、甜菜、スイートコーンなども道内トップの耕地面積を誇ります。
【薬効などの話】
大豆は、タンパク質に含まれている必須アミノ酸のバランスが素晴らしいことから、「畑の肉」と呼ばれるほど機能性成分に優れた食品といわれています。その大豆の仲間の中でも「黒大豆」の薬効は群を抜いているようで、中国の古い薬物書でも諸毒や腫を消し、腎臓を補い血を活かし―などと、漢方薬に用いていたことが記されています。良質なタンパク質が豊富で、ビタミンB群、ビタミンK、イソフラボン、サポニン、レシチン、食物繊維など、およそ16種もの栄養素を含んでいます。これらが、婦人科系の病気予防をはじめ動脈硬化、高血圧、肥満、糖尿病などの生活習慣病予防や免疫力向上に効果があるようです。また、骨粗しょう症など更年期障害の予防に効果があることですっかり有名になった成分の「イソフラボン」についても、黒大豆は、特にその成分含有量が高いといわれています。
※なお、ご覧のサイトで紹介している薬効の内容につきましては、古くから伝えられる文献等を参考にして記載しておりますので、あくまでも健康的な食卓の話題としてお受けとめください。