記念日いろいろ
思えば、歌人・俵万智さんの「サラダ記念日」がベストセラーになった(1987年)頃から、ささいなことでも記念日にしていいんだなあと、多くの人が思うようになったような気がします。
楽しい食卓の“記念”すべき第1回目に綴るのは【豆腐】について。豆腐の日は、毎月12日と10月2日とされています。
これは日本豆腐協会が1993年に定めたもので、語呂合わせ【10(とう)+2(ふ)】で生み出されたようです。
ちょいと横道にそれれば、5月に植え付けがある「こんにゃく」も、5月29日の語呂合わせで、歴史を覚える時の暗記法みたいな記念日が多いようです。
ほかに、なるほどというものでは米を作るのに八十八の手間がかかることからを「八」を選んで、「米の日(毎月8日)」と設定しているケースもあります。
話を戻し、豆腐の歴史を紐解けば、大豆のルーツでもある中国の西漢時代に作られた食べ物で、日本に伝わったのは江戸時代に入ってからといいます。
おおざっぱに豆腐が出来る過程を要約すると、大豆を挽くー豆乳状態にする―にがりを加えておぼろにするというものですが、木綿の布を型に入れて重しで水分を抜く「木綿豆腐」、水抜きせずに寒天を加える「絹ごし豆腐」の二つがポピュラーです。
木綿豆腐を作る過程で、固まる前に型に入れない状態で食べる「寄せ豆腐」を好む人も増えています。寄せ豆腐といえば、道南の森町駅付近で売っていたタレ付きの「ざる豆腐」もコクというか風味がありました。
さて、豆腐料理といえば、何はなくとも「冷や奴」、さっぱりした具と味わう「湯豆腐」。そして、中華料理の名シェフが日本に伝えて現代の人気 メニューになっている「麻婆豆腐」。
ほかにも、「田楽」「胡麻豆腐」「黒豆豆腐」などがあります。
ちなみに、周りの何人かの声を聞くと、家で、冷や奴に醤油と生姜、長ねぎで、ご飯と一緒に食べるのが最高というシンプルな返答ばかり(なんだかテキトーな返答のようですが、心情的には納得できますね)。
最近のスーパーやデパ地下などでは、こだわりの品揃えで道産大豆使用の豆腐も販売されており、池波正太郎さんや藤沢周平さんの作品に出てくるような粋な夕食のひとときが各家庭で繰り広げられているような気がします。
さあ、今日の豆腐は何にしましょうか?